福岡高等裁判所 昭和27年(う)3397号・昭27年(う)3398号 判決
原判決書によれば同判決の日附は昭和二十七年六月十七日となつており、同日開廷された原審第十三回公判調書を見ると、同公判においては、検察官より弁論再開及び訴因の変更請求が為され、原裁判所は右請求に基き、既に終結した弁論を再開し、右訴因の変更を許可し、次回公判期日を同年六月二十八日午前九時に指定した事実、原審第十四回公判調書をみると、同公判は同年六月二十八日開廷され、検察官及び弁護人より各意見の開陳がなされた後、原裁判所は、弁論を終始して、直ちに判決を宣告した事実が各明かである。刑事訴訟第四三条第一項によれば、「判決は、この法律に特別の定めのある場合を除いては口頭弁論に基いてこれをしなければならない」と規定されているから、判決は口頭弁論終始後に為されなければならない筋合である。然るに原判決は前期のように、本件口頭弁論終結前に作成された判決書に基き宣告されたことが明かであるから、原審の右措置は刑事訴訟法第四三条第一項の規定に違反し且この違反が判決に影響を及ぼすことが明かであるから、原判決中被告人藤本に関する部分は破棄を免れない。論旨は結局理由がある。
(後略)